|
| 守大助さんは強くてやさしい人 |
「大助さんを守る会」の総会が１１月２５日仙台で行われました。
神奈川からは田戸さんの運転する車で五人が参加しました。
およそ七時間に及ぶ旅に車窓から見る東北の山々が美しくそれはのどかでした。 しかしこの地の続くその先に一人の若者が日も当たらぬコンクリートの狭い部屋に閉じ込められているとう現実を思うと、山々が美しければ美しい程、涙がこぼれそうになる思いでした。
その彼に面会したのが二日後でした。
拘置所の面会室に入って程なくして看守に伴われて入ってきた大助さんは、立ったまま頭をパッと勢いよく下げて「ありがとうございます」と言われました。そして椅子に座りながら下げた時に顔にかぶさった髪を思いきり手で書き上げる動作が若者らしいきびきびした動きでした。しかし、長期の拘留生活で痩せてしまっている様に思えました。
そうしてこんな事を言われました。「あまりにも取り調べがひどいのでやっていなくてもやったと言えば、それで楽になるのかなあと思った事もある」と迷いのあった事も話されました。
しかし、今がんばっている姿に、そうして目の前にいる大助さんを見てやっぱり強い人なんだなあと思いました。
彼の「僕はやってない」の本の中にこんな記述があります。
これから手術を受ける少年の母親が「子供には手術のこと話してないんです」と言われた守さんは、少年に「仮面ライダークウガに変身するために手術を受けるんだよ」と言い聞かせ、手術後にオモチャの変身ベルトを買ってあげた」という話を読んだ時、子供の心がつかめるやさしい人なんだなあと思いました。
この日の面会時間三十分の終わりに近付いた頃、高齢である私に「お体に充分気を付けて下さいね」と言われました。
その目は人を救う為に看護師として献身的に働いてきた澄んだ美しい目でした。
こんなにもすばらしい人がこれ程迄にひどい仕打ちを受けなければならないのかと思うと、なんともやりきれない思いと憤りがこみあげてきました。
三十分はあっという間に過ぎ別れの挨拶をしました。
看守と一緒に面会室から出て行くグレーのトレーナーズボンをはいた大助さんの後ろ姿が私の息子と重なり合って思わず胸がしめつけられる思いで「一日も早く助ける為に母さんがんばるからね！」と心の中で叫んでいました。
事務局 添田 美智子 |
|
